はじめに
新しい分野に未経験から挑戦するのは、非常に素晴らしいことだと思います。しかし、データ分析やAIは学習範囲が広く、何から手をつけていいか悩まれる方もいると思います。実際、私もそうでした。
今回は私自身が未経験からAIエンジニアになるまでの経験をもとに、勉強したことや取得した資格などを★1から★5の評価で紹介します。この記事を書くにあたり、未経験から学び始める人を想定しています。また、評価は私の個人的な見解に基づくものなので、その点はご了承ください。未経験からAIエンジニアを目指す皆さんにとって、この記事が一助となれば幸いです。
資格
資格を取得することの一番のメリットは自分の知識やスキルを客観的に証明できることだと思います。他にも、継続して努力ができる人だと思っていただけることもあります。特にAIの分野は進化が早いので、継続して学習できることはアピールポイントになると思います。
以下では私が勉強してきた資格について評価をしています。
統計検定 2級 ★★★★★
レベル:統計検定2級は大学基礎課程(1・2年次学部共通)
おすすめする人:全員
AIエンジニアやデータサイエンティストには、統計検定2級レベルの知識が必要不可欠です。資格取得により、統計の基礎知識を持っていることを証明でき、実務にも直結します。
統計検定2級|統計検定:Japan Statistical Society Certificate
統計検定 準1級 ★★★★☆
レベル:大学において統計学の基礎的講義に引き続いて学ぶ応用的な統計学の手法。
おすすめする人:理系出身者や数学に抵抗がない人。
統計検定2級よりも試験の出題範囲が広く、難易度も上がります。幅広い分野を学べ、実務での応用範囲も広がりますが、学習にはそれなりの時間が必要です。特に数学に抵抗がある方はコスパはあまりよくないと思いますので注意が必要です。
統計検定準1級|統計検定:Japan Statistical Society Certificate
私の勉強方法は以下の記事でまとめています。
so24.hatenablog.com
統計検定 1級 ★☆☆☆☆
レベル:大学専門課程(3・4年次)
おすすめする人:数学が得意な人、専門的に統計を使う予定の人。
統計検定1級の内容は統計の理論的な部分が多く、大学入試に近い試験内容になっています。このレベルを実務で使う方は稀だと思いますし、コスパが悪いので未経験の方にはおすすめしません。
統計検定1級|統計検定:Japan Statistical Society Certificate
G検定 ★★★★☆
レベル:AI・ディープラーニングの基礎知識。
おすすめする人:全員
G検定はAI・ディープラーニングについて浅く広く学ぶことができます。試験難易度が低いため、短期間の試験勉強で取得が期待できます。その反面、この資格自体が評価される場面は少ないと思います。AIに携わりたい方は最低限の知識として習得することをおすすめします。
G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
E資格 ★★★☆☆
レベル:ディープラーニングの理論と実践。
おすすめする人:AIの理論や実践を幅広く学びたい人、金銭面に余裕がある人
E資格は理論から実践まで、範囲も幅広く学ぶことができます。受験のためには認定プログラムを受講する必要があり、安くても10万円程度はかかるので、お金に余裕がある方や会社が負担してくれる方だけでよいと思います。また、実務でE資格のような幅広い範囲を全て担当することは稀で、特定の分野(画像、自然言語、強化学習など)に特化する場合が多いと思います。全体を学べるメリットはありますが、費用に見合っているかと言われると微妙な印象です。
E資格とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
私の勉強方法は以下の記事でまとめています。
so24.hatenablog.com
プログラミング
AIやデータ分析でプログラミングが必要な場面は多いと思います。未経験の場合は、基本的な内容の学習だけで十分だと思います。
あとは実際に活用しながら調べたり、覚えたりする方がコスパは良いと思います。
以下では私が勉強してきた内容について評価をしています。
[講座]Tech Academy(Python+データサイエンス+AIコース) ★★★☆☆
レベル:初心者向け
おすすめする人:プログラミングを全く触ったことが無い方、自分で進める自信がない方
メンターサポートがあるのでプログラミング完全初心者の方は検討されてみてもよいかもしれません。
ただし受講料が高いので、基本的にはUdemyや書籍での学習をおすすめします。
[書籍]東京大学のデータサイエンティスト育成講座 ★★★★★
レベル:初心者向け
おすすめする人:全員
データ分析で必要なプログラミングの知識を一通り学ぶことができます。
これくらいの知識があれば実務でも十分使っていけると思います。
[書籍]Kaggleで勝つデータ分析の技術 ★★★★☆
レベル:初級~中級者
おすすめする人:全員
データ分析の流れを学習することができます。難しい内容もあるので全て理解できなくてもよいと思います。
[コンペ]Kaggleなど ★★★☆☆
レベル:中級者以上
おすすめする人:実データで分析をしてみたい人
未経験の方がコンペで実績を作る(メダル取得する)のはかなりハードルが高いです。身近に一緒に参加してくれる方がいる場合は、お願いしてみるのがよいかもしれません。また、コンペで実績を作るよりも、業務での活用を目指した方がコスパが良いと思います。
その他
業務活用 ★★★★★
レベル:-
おすすめする人:全員
学んだ知識を社内データに適用し、業務改善や分析を通じて実践的な経験を積むことが一番重要だと思います。定量的に効果を示すことができれば、立派な実績になりますし、これが一番評価されると思います。
さいごに
未経験からAIエンジニアを目指す方への私のおすすめは、
「統計検定2級 → G検定 → 東京大学のデータサイエンティスト育成講座 → Kaggleで勝つデータ分析の技術 → 業務活用」です。
必要最低限の知識を抑えつつ、業務活用で実績を作っていくというシナリオです。
皆さんの成功を心から応援しています。